Training from the BACK of the room まとめ#2

前回に引き続きTraining from the BACK of the Roomの紹介をしたいと思います。

Conceptの概要

Conceptでは学習の内容をトレーニングを受ける人(学習者)に伝える部分。トレーナーは以下のことに気をつける。

  1. 必要な情報 (Need-to-know Information) 本当に必要なことだけに絞る 例えば、時間が半分だったら何を削る?学んだことを持って帰って仕事が成功するために何が必要?10分に内容をまとめるとどうなる?
  2. 視覚化して整理する (Graphic Organizer) Graphic Organizerでググるといろいろ見つかるが、メモを取ってもらうためのあらかじめ、考えをまとめるための補助の絵や図が入っている紙を配る メモを取るということは記憶の定着に役立つ 学習者が自分でどのようにまとめるか決めてもいいが通常はメモを取り慣れてない ここはメモを取るところですと伝えてもいい パワポのスライドを渡すのはよくない
  3. 10分ルール (10-minute rule) 10分ぐらいの細かい単位に区切る 10分経つと覚えたことを忘れ始めるので、10分ごとにまとめを入れるといい
  4. インタラクティブなレクチャー (Interactive Lecture) 学習者にも喋ってもらう 質問に対して1人が答えるだけでなくたくさんの人に答えてもらう たとえば、 "Three Before Me" 最低三つは答えをいう前に学習者に答えてもらう
  5. 1分のまとめ (One-minute Review) 定着を促すためのまとめ The Ten-Minute Trainerという同じ著者の本にいろいろなまとめ手法がある

コンセプトマップ

レーニング中メモをとると学習内容の定着に良くさらに、絵や図があると良いとPatricia Wolfという人が書いたBrain Mattersに書いてある。 コンセプトマップとはトレーニングで話された内容について視覚的な概要を与えるメモツール グラフィックオーガナイザーとも呼ばれる

マインドマップ型、フローチャート型、タイムライン型などいろいろある。

インタラクティブレクチャー

上にあるようにトレーニングはできるだけ細かく区切って、まとめを入れたほうが良い。 まとめのやり方には Rapid Response と呼ばれる以下のようなものがある。 1. 講義を一旦止める 2. 学習者に学習した内容の中でもっとも重要ないくつかの(e.g. 5つ)事実を考え共有してもらう 3. 学習者が事実を共有するまで待つ。間違っていない限り全ての事実を受け入れる 4. 学習者から出てこなかった重要な事実があれば追加する 5. 学習者の勘違いがあれば訂正する これは学んだ重要な事実を使うパターンの他にも色々ある 例えば、学習者に学んだ内容からテストの質問を作ってもらう、学習した内容を一文に要約してもらうなどなど

他にも、学習者に60秒で学んだ中でもっとも重要な10の事実をつ書く Beat the Clockというものもある。

ジグソー法

ジグソー法とは学習者同士がお互い教えあいながら学んでいく手法。知識構成型ジグソー法 | 東京大学 CoREFのサイトなど色々なところで紹介してある。 これも色々なパターンがあり、例えば Concept Clinicと呼ばれるのは以下のようなもの 1. それぞれのグループはチーム名を決めてそれをA4用紙かそれよりちょっと大きなサイズに書く 2. それぞれのグループに別の内容をアサインして、グループでは与えられた資料を使ってその内容について議論する グループは白紙に事実を書き出す 3. それぞれのグループはまとめた内容を隣のグループに渡す 4. 渡されたものをグループで読んで追加の情報を書くというのを 自分のものが手元に来るまで繰り返す 5. それぞれのグループは数分使って自分のチームに紙に書いてある情報のまとめを書く 時間があるなら絵もつける それぞれのグループはそのまとめを壁に貼りみんな見れるようにする

コンセプトセンター

コンセプトセンターとは、テーブルや壁、トレーニングルームの特定の場所を、トレーニングのトピックに関するコンセプトやスキルを学んだり復習できるようにしたもの。学習者は休み時間などにそこを使って、学習したりレビューしたりする

こちらもいくつかパターンがあり例えば、Table Centerと呼ばれるのは以下のようなもの

  • コンセプトセンターになれる前は事前に準備した一つか二つの復習のためのゲームのようなシンプルなものがおすすめ。ゲームのオススメは Learner-Created Gamesのセクションにある
  • 壁に"Game Center - Try Your Luck!"のようなキャッチーなタイトルをつけて興味を誘う
  • 学習者に休憩時間中にそこを訪れてもらうように伝え、仲間と5分程度のミニゲームをやってもらう。
  • もし十分な復習ができるゲームがあったのならトレーニングの時間の5分から10分を全てのテーブルのグループが一回は遊べるような時間を作る
  • ゲームを複数のテーブルに配置して、トレーニングの中の時間でそれぞれのテーブルでゲームをしてもらって、違うテーブルに行ってまた違うゲームをするというようにするやり方もある
  • 慣れてきたら、復習だけじゃなくて、nice-to-know(知っておいたほうがいい情報)をコンセプトセンターとして提供するのもいい。ちょっとしたクイズや間違い探し、空白を埋めるワークシートなどを教材にする。
  • もしトレーニングの1-2時間、コンセプトセンターで使うと決めたら、それぞれのテーブルにそれぞれ違う教材を用意して、テーブルごとのグループに一つやったら次のテーブルに行って違うものをやるようにローテーションさせるというやり方もできる。
  • コンセプトセンターでの時間の後、"学んだ中でのもっとも重要なものはなに?"、"どんなアクティビティが一番有益か?そしてそれはなぜか"、"質問はあるか?"、"さらに勉強したい領域は何か?"、"そのほかに今のアクティビティを通して気づいたことやコメントはあるか?"と行った問いをする時間を儲ける

感想

ジグソー法やコンセプトセンターは結構時間が必要で自分がやっているような社内研修で実施するのは難易度たかそうだなと思うけど、実際アクティブブックダイアログ(ABD)で本を読んでみるという経験を社内でしてよかったという時間があるので、特にジグソー法はチャンスがあれば取り入れたいなと思います。