Training from the BACK of the roomの感想

前回、トレーナーのための本 Training from the BACK of the roomを読んでいるということを紹介したのですが、今回は少し内容に触れつつ感想を描きたいなと思います。

タイトルがすごくよく内容を表していると思います。 基本的な考え方として、トレーニングする時は、講師の話を聞かせるのではなく、トレイニーに学ばせる。講師が喋るのではなくできるだけ、トレイニーに喋らせるというというのがあるということです。

そしてその根拠として、そもそもbrain-friendlyな学習とは何かということが書いてあります。 cognitive neurosceinceの研究結果を参考にしているとのこと。講師が前で延々と説明するようなトレーニングはbrain-friendlyじゃないよということ。そもそも脳は新しいことを学ぶのが好き、そしてじっとしていたり、来る返しになることが嫌い。人間は感情は置いておいて情報だけ受け取って学ぶようにはなっていないので、感情を軽視してはいけない。人は基本的に自分を傷つけるようなことは避けるので、喜びを感じるようにすることも大事。人間の集中力は長く続かない。10分ぐらいにできるといいし体を動かすのも大事。図やグラフなどを用いて視覚を刺激したり、音楽を使って聴覚を刺激したりするのも有効。また、トレイニーに学び方を選ばせるのも重要。選択肢を与えて選ばせる。そして学んだ内容を振り返りをする。また部分的なトレーニング自体をトレイニーに仕切ってもらうのもいい。トレイニーに積極的に活動/協力してもらうのが大事。そのためには心理的安全な状態を作り、競争させるより協力させる方がいい。みんなが前(=講師)向いているスタイルより、円になってお互いを見ている方がいい

そしてトレーニングの構成は4Cというのをベースにすると良い 4Cは以下

  • Connection - 学ぶ人がトレーニングトピックに関してすでに知っていることとこれから学ぶこと、学びたいこと、学ぶ人同士のつながりを作る
  • Concept - 学ぶ人が新しい知識を学ぶ その際には見たり聞いたり議論したり書いたり教えあったりなどしながら学ぶ
  • Concrete Practice - 学んだことを実践する
  • Conclusion - 学んだことをまとめたり、評価したり、アクションプランを作ったりする

このやり方はaccelerated learningというのを元にしているという。accelerated learningtとは学ぶということは、精神肉体両方関係ある。学ぶという行為は情報の消費ではなく創造である。学ぶというのは線形に一回だけ起こるのではなくいろんなレベルで起こる。協力は学びを増やし、孤独は学びを減らす。消極的に聞くだけではなく、何かをしながらフィードバックを受けることで学ぶ。ポジティブな気持ちや頭の中で想像したりすることが学びを加速する。というような原則に基づくもの。トレーニングを作って行く時は、最終的にトレイニーにどうなって欲しいのか?何を学んで欲しいのかというところから始めるのが大事。そして、どうなって欲しいのかということが観測可能であることが大事。学んで欲しい。知って欲しいだと観測できない。必要なことだけ教えるということにも気をつける。何を教えるか、どんなアクティビティをするのかは4Cの順番じゃなくていい。色々あげてその後取捨選択して並び替える。そしてできるだけ、トレイニーにリードさせる

こういうことが最初の章に書いてあり、それ以降の章で4Cで具体的にどんなことをすればいいかが書いてあります。そのままトレーニングで使えそうなやり方もたくさん乗ってあって、学校の先生がこの本読んでたらいいのになと思いました。、